July 04, 2011

アシストからアトリビューションへ(2)


ニュースソースその1(SEM-LABO:間接効果のジレンマ)
ニュースソースその2(japan.internet.com:クリックの時代は終わった!? バナーのディスプレイ効果を検証する)
ニュースソースその3(Fringe81 Blog:ラストクリック評価は死ぬべき(とWPPの人が言ってる)

さて、前回のPostの続き。また今回も長文です。

前回のPostの中で、

すなわち広告の接触毎に消費者の意識がどう変化したかをきちんと追いかけることが出来れば、それは重み付けを正確にする上での絶対的な指針になるはずだし、ひいては広告同士の因果関係の明示が可能になるはず。

ということを書いてますが、いわゆるこの話が

ニュースソースその2(japan.internet.com:クリックの時代は終わった!? バナーのディスプレイ効果を検証する)

ここと関連してきます。

というわけで引用。

上記グラフで注目をしたいのが、“Non Clicker”と呼ばれる全くクリックをしないユーザーがインターネット人口の68%も存在し、6%の“Heavy Clicker”が全体クリックの50%を占めるという点です。つまりバナー広告をクリックするユーザーは全体の32%しかおらず、その他のユーザーはバナー広告をクリックしないということです。ではそのユーザー層がどのような属性かを分析したのが以下のデータになります。

ふむふむ、なるほど。
んでページは2ページ目になるんだけど

しかし、“No Clickers”がバナーを閲覧したことに起因したコンバージョン(バナーはリーチしているが、クリックではなく検索でコンバージョンしたなど)を計測してオプティマイズを行えば、より広告主のターゲットとしたいユーザーに対してのみ広告配信ができるようになります。

ここんところなんですよ。前ページの「態度変容」とつながる話ね。

#別にいちゃもんをつけるわけではなく(そう捉えられたら、すみません。)、
#この"No Clickers"ってホントにディプレイ広告をみたのかってことも、実は考えないといけないはず。
#たとえばAdNetworkの広告がBelow The Foldだったらどうよ?的なね。
#多分オムニバスさんもそこら辺はちゃんとリサーチされているので、この質問はもちろん愚問なんだが、まあ思考練習としては、ってことね。

さらに続き

アドネットワークを開始した月にそれまで2,000件前後しかなかったブランドワードの検索数が、一気に9,000件まで跳ね上がっています。また、アドネットワークでの配信数を増加させたタイミングで検索数が増えており、アドネットワークでディスプレイ効果があったことが分かります。

おーいえー。こういうことよ。つまりディスプレイ広告の大量投下により、ブランドの認知度があがり、それでもってリスティングで刈り取りが出来ました、って言う流れはつまり前回のPostで書いたような

とあるコンバージョンまでに広告接触が3回あったとして、最初の接触がAttention、二番目の接触がInterest、三回目の接触でSearchしてコンバージョン、っていうのがわかる

つまりこの話とつながるわけですな。








いや、実はここがトリック。

厳密に言えば、ある程度はつながるが完全につながるわけじゃないのだよムスカ君。
たとえて言うとラピュタにリトバルスキー(元ジェフのサッカー選手)がいたらバルスって言葉でみんな死んじゃう(以下略

さて、たとえば以下の3点を考えてみるとよくわかるのだが。

(1)2000から9000まで伸びたブランドワードの検索で、そのAdNetworkを見たユーザーは何人か?
(2)2000から9000まで伸びたブランドワードの検索で、そのAdNetworkを見て初めて検索したユーザーは何人か?
(3)2000から9000まで伸びたブランドワードの検索で、そのAdNetworkを見たユーザーの検索回数は何倍になったのか?

つまりアドネットワークの大量投下でもってブランドワードでの検索が上昇したことは相関関係なんです。ただし因果関係は証明されてない。いや、これはこれで間違いなくディスプレイ広告のAttributionだと思ってます。でもね、このデータでもって、さらに最適化を推進して、効果を改善しようと思うと、前ページのSEM-LABOさんの台詞じゃないが

100歩譲ってこのアシスト数を利用して最適化できるとすれば、アシストが加算されたキーワードはできるだけ上位に表示してクリックさせるべき、という判断以外にたどり着くことはないだろう。運が良ければ”たまたま”コンバージョンが増えることもあるだろうしね。

ここの話に帰結しちゃうんですよ。もんのすごい邪推した言い方を敢えてさせてもらえれば「偶然かもしれない」ってところがいまだにあるわけです。つまり

運が良ければ”たまたま”コンバージョンが増えることもあるだろうしね。

ここんところな。

アドネットワークでもAdExchangeでもAudience Targetingでも、広告は投資なのだ。投資である以上リターンがあって、そのリターンを改善するための運用が必要なのだ、ってのは随分とこのBlogでも主張していることなのですが、このケースで言えば

(1)AdNetwork経由でディスプレイ広告を閲覧したユーザー数をxとする
(2)そのxの中でブランドネームでの検索を行った人数をyとする
(3)そのyの中で広告の閲覧により初めて検索を行ったユーザー数をzとする

ということまでわかると
a) zってのが新規認知の数
b) y-zってのがすでにある認知がさらに改善した数

んでy人およびz人によって何回の検索が発生したのか、ってのがわかると、認知度(≒ブランドネームでの検索)を高めるのにいくらのコストがかかったのか、ってのがわかるはずなんですね。
そうすれば、y/xをより100%に近づける方法ってないのか?とかCostはともかくもっとzの絶対数を増やすにはどうすればいいんだ?っていう次の課題が見えてくるはずなのですよ。

これで初めて態度変容まで追いかけられる、ってことになるんだと思うんです。つまり熊度変容を追いかけようと思うと、複数のデータソースを連結して、統合的に分析することが必要なんですよ。(測定基準とか語彙の統一とかも含めて)
リスティング単体でもダメ。アドネットワーク単体でもダメ。サイト内ログだけでもダメ。んでそれらを単純に並べるだけでもダメ。関連のある複数のデータソースを同期してこそ、初めて「態度変容」は視覚化できるはずなんです。

んでね、ここまで難癖をつけるようなことを書いておきながらも、はっきり言っておくけれど、俺自身はこのオムニバスさんのリサーチに関しては完全に肯定派です。この分野、まだまだExperimentalな部分も多々あるので、オムニバスさんの取り組みを否定しているわけではないです。ここは誤解のなきよう。
こういったケースは確かにレアかもしれないし、一般化できないかもしれないけれど、市場が勃興しているタイミングではこういったチャレンジを繰り返すことが何より大事だし、こういった経験を広くシェアされているその姿勢も120%支持します。

#つか現状で俺が上に書いたx、y、zなんてどう考えたって計測不可能でしょ?現状では、ね。

ってことはやっぱりこのオムニバスさんのやられたことは、やっぱり今の限界に近いところまでは攻めているんです。sembearは常に開拓者に対しては最大限のRespectを持ってます。全力で応援してますよ!>すがけんさん

んでね、アトリビューションと態度変容の話だけど、もう一度繰り返すが

リスティング単体でもダメ。アドネットワーク単体でもダメ。サイト内ログだけでもダメ。んでそれらを単純に並べるだけでもダメ。関連のある複数のデータソースを同期してこそ、初めて「態度変容」は視覚化できるはずなんです。

ここんところね。んでね、まだ明確に固まっているわけではないんだけれど、個人的には大きく分けて三種類のデータソースが必要になると思っています。

(1)広告配信側(Imps/Clicks)のデータ
(2)サイト内(Visitor、CVs、滞在時間、回遊率とか)のデータ
(3)態度変容を証明するデータ

なんかね、今までのアトリビューションの議論って、(1)と(2)はあったけれど、(3)の議論がちと足りてないと思ったりするわけよ。

例えばAというディスプレイ広告を見た、そのあとリスティング広告Bをクリックした、そんでCのページを見て、いったん離脱した、そのあとリターゲティングのDの広告から訪問した、んでコンバージョンした、ってのは今でもわかると思うのな。でもね、BのリスティングがないとCVしなかったのかどうか、ってのは実はユーザーの態度がBの接触時にどうなったのか、ってことがわからないと永遠に評価できないと思うのだよ。別にBがなくたってAのあとオーガニック検索でCに行ってもいいわけだし、むしろAのあとDのリターゲがあったっていいわけじゃん?

そういう意味でね、(3)の態度変容を証明するデータってのがないとダメなんだろうと思ってます。Bのタイミングからユーザーの態度はどう変容したのか?ってね。
んでね、問題は(3)のデータってどこが持ってるんだい?さらに言えばどういう形でもってるんだい?ってことだと思うんだけど、ここが今回の肝だろうと思ってます。

例えば上の商材が化粧品だったとしましょう。Aのディスプレイを見た後、このユーザーが@cosmeに訪問したりしたら、多分Aでの態度変容は明確。さらにBのあと@cosmeの訪問頻度が高まっていて、他の化粧品関連の検索が増えていたら、Bでの態度変容も明確、でもこの場合@cosmeと検索そのものは別に広告を配信しているわけではない。でもそれらのデータがないと態度変容を把握することは不可能だと思うんですよ。

んでこれにて第二回は終了。ここで二回目を終了させるあたりが俺様のチラリズムってことです。

次が最終章です。

Posted by sembear at 12:47 pm | from category: Attribution Management
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