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January 05, 2010
ニュースソース(日経ビジネスオンライン)
GoogleとYahoo! Japanの比較についてって、なかなか個人的には両社に知り合いがいるし、もともとの仕事の関連もあるのでバイアスもかかってしまうんだけど、一度思いのたけってのを書いてみようと思う。
まず最初に書いておくけど、会社として、またそこに勤務している人に対して、基本的にはRespectをしています。
両者とも本当に良いウェブサービスを提供しようと日々試行錯誤を繰り返し、インターネットの発展に素晴らしく貢献していると思っています。
それはもちろん詭弁でも皮肉でもホメ殺しでもなく、純粋に心からそう思っています。
さて、本題。
井上さんとは何回かMTGもしていて、個人的にも強烈な存在感だなあとは思っているわけですが
ちょっと長い引用だけど
例えば金融情報では、プロ向けと初心者向けでは違うサービスになるべきだと思う。利用者の層に合わせて、あらゆるサービスを取りそろえるのは不可能だ。
そこでヤフーは、みんなにとって「合格点ぎりぎり」のサービスをできるだけ集める戦略を取っている。最大公約数と言ってもよい。それが一定の分量になると、「品揃え」が多いという新たな価値が生まれてくる。
足りないところは、パートナーと組んで行けばいい。これも、オープン化の精神の1つだ。
広告的な観点から行くと、ある意味最大公約数的なサービスが多く取り揃えられていることでインターネットユーザーの多数を占める初心者を多く取り込める、ってのは実は大変意義があります。
そりゃプロというか上級者クラスになるとサービス的に物足りなくなって利用しないこともあるでしょうが、そういった人達は原則少数派なんですよ。特にAd Networkっていうビジネスモデルって意味で言えば、配信数と広告数という数が多いことがビジネスの成功を決することも多く、そういう意味で多数派をとりこむと言う意味では間違いではないと思います。
将来は、日本以外の国にもインタレストマッチが広がっていくだろう。そうなれば、米ヤフーからインタレストマッチのライセンス料をもらうことになるかもしれない。
ライセンス料がどれぐらいになるか。詳細はまだ話し合っていない。ただ、ヤフージャパンは毎年、米ヤフーに(検索エンジンの使用料として)ロイヤリティを支払っている。それより少なくなるのは腹立たしい。結局は、両者を相殺するぐらいになるのではないか。
うーん、なんかもろもろコメントしたいけど、とりあえず引用だけでやめておこう。結構ここは重要だったりするぞ。
んでこの記事で最も注視したいのは井上さんのコメントではなくてインタビュアーの質問
ヤフーはユーザーに「驚き」を与えられているのでしょうか。例えばグーグルの「ストリートビュー」や「ブックサーチ」では、ユーザーが「すごい」と思ったからこそ、反発も強まったのではないでしょうか。グーグルと比べて、最近ヤフーは「すごい」サービスを生んでいないように思えます。
あのさ、ストリートビューってGoogleが元祖じゃないと思うんだよね。
ストリートビュー的なサービスって、自分が知ってる限り、Amazonが始めた"A9.com Maps"だと思うんですよ。
既にサービスは終わってると思うけれど
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20086462,00.htm
でもこれは「すごい」とは受け止められないまま終わってしまったんですね。UIの作り込みとか、サービスの提供の仕方とか、いろいろ問題はあると思うけれど、着想としてはストリートビューと一緒だと思うんですよ。
ついでにいうとBook Searchも多分Amazonが先だったんじゃないかなあ、サービスが始まったのはたしか2003年だし。
そういう意味でね、Googleがすごいってのはちょっとミスリードだと思う。もっとぶっちゃけて言えばインタビュアーの主観だね。
Googleのすごさはそういったアイデアをより洗練させて世の中に出せる開発力、UIの作り込み、そしてなによりマーケティングの力だと思ってます。
#だいたいGoogle AdWordsっていう検索連動型広告のビジネスモデルもYahoo!から特許仕様の許諾を受けてビジネスしてるってこと、知らない人も多いんじゃないかな。
ただね、誤解して欲しくないのは、だからといってGoogleがすごくないとか、アイデアをパクってビジネスしてる、っていう幼稚な話じゃないんですよ。アイデアなんて単なるアイデアで、それをより洗練させて世の中に受け入れられて、インターネットの拡大に貢献しているってのは紛れもない事実で、そこの名誉が毀損されるものではないんです。
そしてなによりGoogleのオーガニック検索の完成度、それこそ大量の検索クエリを処理しつつ安定して運用している技術力、外部からの被リンクをWeb pageの評価要素として取り入れた発想、それ以外にもGoogle Earth、Webmaster toolなど思い切った発想とそれを実現できる技術力、これらは素晴らしいイノベーションですし、それこそGoogleのすごさ、と言って良いと思います。
#まあ、一部は買収した企業の技術だったりもするので、そこんところも考えないといけないだけど、そこは割愛。
んで本題に戻そう、ストリートビューやブックサーチがなんで賛否両論の反響をもって受け入れられたかってことは、それがGoogleだったからですよ。
そりゃサービス自体もすごいと思いますよ。ただAmazonがやったとき、どれだけ議論になった?ポイントは他の会社が同じことをやったとしてもあんまり気にならないけれど、Googleがやるからこそメディアも扱うし、反響も大きくなる。
そこがGoogleのすごさなんですよ。誤解を承知で言えばProduct Marketingも含むMarketingの力。技術力よりもGoogleというブランドが先に立っている感すらある。
だから井上さんの言う
僕はすごいとは思わなかったけどね。法律がなければできることはたくさんある。ルールの中でできることをやろう、と考えると限定される。やっちゃいけないことは、やっちゃいけないんだよ。
確かにこれは半分は正しいのかもしれない。だってサービス自体は作れちゃうんだもん。
アイデア自体に目新しいものはないし、Yahoo! Japanだって作ろうと思えばできるでしょう。
でもやれない。確かに法律云々の部分はAdWordsの広告主の品質あたりも絡んでくるのでまるっきり間違いでもないけれど、そういう部分で議論をするよりも、Googleがやってしまっているという(ある種確信犯的な)思い切りの良さはすごいと思う。そういう見方をしないと本質論からずれそうな気がする。
グレーゾーンをせめているからすごいんじゃない。すごいものはすごい。ただしアイデアとかモノはそこまで素晴らしいものでもない。
いうなればGoogleがやると、基本的にメディアとか市場が注視する、その環境自体とその環境を作り出したことがすごい、ってことかな。
誤解のないように何度も言うけれど、ホメ殺しでもGoogleの批判でもないです。純粋にGoogleのProduct Marketingの力は強烈だと思います。
技術力もすごいと思うけれど、ただ規模とかスケールメリットとか考えるとYahoo! Japanが技術的に太刀打ちできないかっていうと違うとおもう。
意外に技術力を図るものさしって難しいんですよ。だからこそGoogleのProduct Marketingも含むMarketing力は凄まじいと思う。これには敬服します。
そういう意味で
グーグルですごいと言われているのは、いずれもグレーゾーンのものではないか。検索連動広告は米ヤフーの真似だし、ストリートビューはすごいけど一種の「のぞき」。ブックサーチは著作権無視のコピーだ。YouTubeだって、違法の動画がトラフィックの多くを占めている。
これも論点が違う気がするなー。上に書かれていることに間違いはないけれど、じゃオーガニック検索の適合性、クローリングの鮮度なんかはすごくないのか?いやすごいよ。普通にすごいと思いますよ。
ウェブサービスはいい加減にやっていいものではない。そこを無視して、「ベンチャーはスピード感が命」とか言うのは、そっちの方が問題じゃないかと思っている。
いわゆるベンチャーとかネット系大企業とかいろいろみてきたけれど、なんだかんだいわれてもYahoo! Japanのスピード感は凄まじいです。
もちろん社員5人のベンチャーのスピード感とは違うけれど、あの規模まで成長していながらもあのスピードを維持できるのはすごいと思います。
Yahoo! Japanって自分が知りうる限り日本で唯一、ECと広告とユーザー課金という3分野すべてで収益化に完全に成功している企業なんですよ。
広告だけでビジネスが成立している企業とは当然持っているデータの重みとか複雑性、セキュリティの度合いとかが段違いにちがうんですよ。
そういう意味でYahoo! JapanがGoogleよりも会社としてすごくないか、っていうとそんなことないですよ。甲乙付けがたいぐらい両社ともすごい会社です。
ついでにいうとサイバーエージェントもTwitterもFacebookもmixiもみんなすごいと思うよ。
ただ、Googleほど市場にインパクトを与えられるマーケティングとその環境を作り出せていないがために、評価が追いついていないんだと思います。
じゃあGoogleのマーケティング力の強さってなんだよ、って言う話もいつか書きたいと想います。
ここも大事なポイントだと思ってるのです。
まあ、いろいろ書きましたが、今年もよろしくお願いします。
sembear
GoogleとYahoo! Japanの比較についてって、なかなか個人的には両社に知り合いがいるし、もともとの仕事の関連もあるのでバイアスもかかってしまうんだけど、一度思いのたけってのを書いてみようと思う。
まず最初に書いておくけど、会社として、またそこに勤務している人に対して、基本的にはRespectをしています。
両者とも本当に良いウェブサービスを提供しようと日々試行錯誤を繰り返し、インターネットの発展に素晴らしく貢献していると思っています。
それはもちろん詭弁でも皮肉でもホメ殺しでもなく、純粋に心からそう思っています。
さて、本題。
井上さんとは何回かMTGもしていて、個人的にも強烈な存在感だなあとは思っているわけですが
ちょっと長い引用だけど
例えば金融情報では、プロ向けと初心者向けでは違うサービスになるべきだと思う。利用者の層に合わせて、あらゆるサービスを取りそろえるのは不可能だ。
そこでヤフーは、みんなにとって「合格点ぎりぎり」のサービスをできるだけ集める戦略を取っている。最大公約数と言ってもよい。それが一定の分量になると、「品揃え」が多いという新たな価値が生まれてくる。
足りないところは、パートナーと組んで行けばいい。これも、オープン化の精神の1つだ。
広告的な観点から行くと、ある意味最大公約数的なサービスが多く取り揃えられていることでインターネットユーザーの多数を占める初心者を多く取り込める、ってのは実は大変意義があります。
そりゃプロというか上級者クラスになるとサービス的に物足りなくなって利用しないこともあるでしょうが、そういった人達は原則少数派なんですよ。特にAd Networkっていうビジネスモデルって意味で言えば、配信数と広告数という数が多いことがビジネスの成功を決することも多く、そういう意味で多数派をとりこむと言う意味では間違いではないと思います。
将来は、日本以外の国にもインタレストマッチが広がっていくだろう。そうなれば、米ヤフーからインタレストマッチのライセンス料をもらうことになるかもしれない。
ライセンス料がどれぐらいになるか。詳細はまだ話し合っていない。ただ、ヤフージャパンは毎年、米ヤフーに(検索エンジンの使用料として)ロイヤリティを支払っている。それより少なくなるのは腹立たしい。結局は、両者を相殺するぐらいになるのではないか。
うーん、なんかもろもろコメントしたいけど、とりあえず引用だけでやめておこう。結構ここは重要だったりするぞ。
んでこの記事で最も注視したいのは井上さんのコメントではなくてインタビュアーの質問
ヤフーはユーザーに「驚き」を与えられているのでしょうか。例えばグーグルの「ストリートビュー」や「ブックサーチ」では、ユーザーが「すごい」と思ったからこそ、反発も強まったのではないでしょうか。グーグルと比べて、最近ヤフーは「すごい」サービスを生んでいないように思えます。
あのさ、ストリートビューってGoogleが元祖じゃないと思うんだよね。
ストリートビュー的なサービスって、自分が知ってる限り、Amazonが始めた"A9.com Maps"だと思うんですよ。
既にサービスは終わってると思うけれど
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20086462,00.htm
でもこれは「すごい」とは受け止められないまま終わってしまったんですね。UIの作り込みとか、サービスの提供の仕方とか、いろいろ問題はあると思うけれど、着想としてはストリートビューと一緒だと思うんですよ。
ついでにいうとBook Searchも多分Amazonが先だったんじゃないかなあ、サービスが始まったのはたしか2003年だし。
そういう意味でね、Googleがすごいってのはちょっとミスリードだと思う。もっとぶっちゃけて言えばインタビュアーの主観だね。
Googleのすごさはそういったアイデアをより洗練させて世の中に出せる開発力、UIの作り込み、そしてなによりマーケティングの力だと思ってます。
#だいたいGoogle AdWordsっていう検索連動型広告のビジネスモデルもYahoo!から特許仕様の許諾を受けてビジネスしてるってこと、知らない人も多いんじゃないかな。
ただね、誤解して欲しくないのは、だからといってGoogleがすごくないとか、アイデアをパクってビジネスしてる、っていう幼稚な話じゃないんですよ。アイデアなんて単なるアイデアで、それをより洗練させて世の中に受け入れられて、インターネットの拡大に貢献しているってのは紛れもない事実で、そこの名誉が毀損されるものではないんです。
そしてなによりGoogleのオーガニック検索の完成度、それこそ大量の検索クエリを処理しつつ安定して運用している技術力、外部からの被リンクをWeb pageの評価要素として取り入れた発想、それ以外にもGoogle Earth、Webmaster toolなど思い切った発想とそれを実現できる技術力、これらは素晴らしいイノベーションですし、それこそGoogleのすごさ、と言って良いと思います。
#まあ、一部は買収した企業の技術だったりもするので、そこんところも考えないといけないだけど、そこは割愛。
んで本題に戻そう、ストリートビューやブックサーチがなんで賛否両論の反響をもって受け入れられたかってことは、それがGoogleだったからですよ。
そりゃサービス自体もすごいと思いますよ。ただAmazonがやったとき、どれだけ議論になった?ポイントは他の会社が同じことをやったとしてもあんまり気にならないけれど、Googleがやるからこそメディアも扱うし、反響も大きくなる。
そこがGoogleのすごさなんですよ。誤解を承知で言えばProduct Marketingも含むMarketingの力。技術力よりもGoogleというブランドが先に立っている感すらある。
だから井上さんの言う
僕はすごいとは思わなかったけどね。法律がなければできることはたくさんある。ルールの中でできることをやろう、と考えると限定される。やっちゃいけないことは、やっちゃいけないんだよ。
確かにこれは半分は正しいのかもしれない。だってサービス自体は作れちゃうんだもん。
アイデア自体に目新しいものはないし、Yahoo! Japanだって作ろうと思えばできるでしょう。
でもやれない。確かに法律云々の部分はAdWordsの広告主の品質あたりも絡んでくるのでまるっきり間違いでもないけれど、そういう部分で議論をするよりも、Googleがやってしまっているという(ある種確信犯的な)思い切りの良さはすごいと思う。そういう見方をしないと本質論からずれそうな気がする。
グレーゾーンをせめているからすごいんじゃない。すごいものはすごい。ただしアイデアとかモノはそこまで素晴らしいものでもない。
いうなればGoogleがやると、基本的にメディアとか市場が注視する、その環境自体とその環境を作り出したことがすごい、ってことかな。
誤解のないように何度も言うけれど、ホメ殺しでもGoogleの批判でもないです。純粋にGoogleのProduct Marketingの力は強烈だと思います。
技術力もすごいと思うけれど、ただ規模とかスケールメリットとか考えるとYahoo! Japanが技術的に太刀打ちできないかっていうと違うとおもう。
意外に技術力を図るものさしって難しいんですよ。だからこそGoogleのProduct Marketingも含むMarketing力は凄まじいと思う。これには敬服します。
そういう意味で
グーグルですごいと言われているのは、いずれもグレーゾーンのものではないか。検索連動広告は米ヤフーの真似だし、ストリートビューはすごいけど一種の「のぞき」。ブックサーチは著作権無視のコピーだ。YouTubeだって、違法の動画がトラフィックの多くを占めている。
これも論点が違う気がするなー。上に書かれていることに間違いはないけれど、じゃオーガニック検索の適合性、クローリングの鮮度なんかはすごくないのか?いやすごいよ。普通にすごいと思いますよ。
ウェブサービスはいい加減にやっていいものではない。そこを無視して、「ベンチャーはスピード感が命」とか言うのは、そっちの方が問題じゃないかと思っている。
いわゆるベンチャーとかネット系大企業とかいろいろみてきたけれど、なんだかんだいわれてもYahoo! Japanのスピード感は凄まじいです。
もちろん社員5人のベンチャーのスピード感とは違うけれど、あの規模まで成長していながらもあのスピードを維持できるのはすごいと思います。
Yahoo! Japanって自分が知りうる限り日本で唯一、ECと広告とユーザー課金という3分野すべてで収益化に完全に成功している企業なんですよ。
広告だけでビジネスが成立している企業とは当然持っているデータの重みとか複雑性、セキュリティの度合いとかが段違いにちがうんですよ。
そういう意味でYahoo! JapanがGoogleよりも会社としてすごくないか、っていうとそんなことないですよ。甲乙付けがたいぐらい両社ともすごい会社です。
ついでにいうとサイバーエージェントもTwitterもFacebookもmixiもみんなすごいと思うよ。
ただ、Googleほど市場にインパクトを与えられるマーケティングとその環境を作り出せていないがために、評価が追いついていないんだと思います。
じゃあGoogleのマーケティング力の強さってなんだよ、って言う話もいつか書きたいと想います。
ここも大事なポイントだと思ってるのです。
まあ、いろいろ書きましたが、今年もよろしくお願いします。
sembear
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